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金品の返還

労基24-1
 死亡した労働者の退職金の支払は、権利者
に対して支払うこととなるが、この権利者につ
いて、就業規則において、民法の遺産相続
の順位によらず、労働基準法施行規則第42
条、第43条の順位による旨定めた場合に、
その定めた順位によって支払った場合は、
その支払は有効であると解されている。

■■解説■■

 背景になっている知識がないと少しわかり
にくい問題です。

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 まず、「民法の遺産相続の順位」について
見てみます。

 民法では、人が亡くなったときに誰がその
財産を相続するかについて定めています。

 まず、相続人になることのできる人達は
以下の人達に限られます。

one 血族相続人(血がつながっている人達)

  ㋐ 子

  ㋑ 直系尊属(より近い親等の直系尊属
   が1人でもあれば、それより遠い親等
   の者は相続人になることはできない)

  ㋒ 兄弟姉妹

two 配偶者たる相続人(内縁関係にある者は
  含まれない)

-----------------------

 そして、これらの人達について以下のように
定められています。

Ⓐ 血族相続人のうち、相続開始時に生存する
 最先順位の者が相続人となる。

Ⓑ 配偶者は、血族相続人とともに、常に相続
 人となる。

 例えば、夫婦と子3人で父が亡くなったとき
は、

      血族相続人である子

       配偶者である妻

2人が同順位で相続人になるということです。

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 では、「労働基準法施行規則第42条、
第43条の順位」というのは何でしょうか。

 これは、労働基準法の遺族補償を誰が受け
るかについて定めている規定です。

 条文を見てみます。
 
第42条
第1項

 遺族補償を受けるべき者は、労働者の配偶
者(婚姻の届出をしなくとも事実上婚姻と同様
の関係にある者を含む)とする。

第2項
 配偶者がない場合には、遺族補償を受ける
べき者は、労働者の子、父母、孫及び祖父母
で労働者の死亡当時その収入によって生計を
維持していた者又は労働者の死亡当時これと
生計を一にしていた者とし、その順位は、前段
に掲げる順序による。この場合において、父母
については、養父母を先にし実父母を後にする。

 第43条を見るまでもなく、上で見た「民法の
遺産相続の順位」とは異なっています。

 まずは、配偶者(事実婚でもよい)が1番、
配偶者がいないときに限り、子等に順番が
回ってくるということです。

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 問題に戻ると、この会社の就業規則には、

 死亡した労働者の退職金は、労働基準法
施行規則の規定に従って支払う

 と定めていて(つまり民法の遺産相続の順位
とは異なる)、それに基づいて支払ったんだけ
ど、これっていいの?ということです。

 結論としては、それでも構わないということ
になります。

 判例も同様の結論です。

 試験対策としては、結論だけ押さえておけば
いいのかなと思います。

 
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本問の答え>○ 

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