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法改正事項(5)

 来年試験に向けての法改正事項。

 第5回の今日は、前回に引き続き派遣法の
改正事項についてご紹介いたします。

 今回は、B 派遣労働者の待遇の改善
関する事項のうち主なものです。

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one 有期雇用派遣労働者を無期雇用等へ転換する
 努力義務
(法第30条)

 派遣元は、一定の有期雇用派遣労働者等(雇用
期間が通算して1年以上の者)の希望に応じ、以下
の措置のいずれかを講ずるよう努めることとなりました。

a 無期雇用の派遣労働者として就労又は通常の
 労働者として無期雇用される機会を確保する

b 紹介予定派遣の対象とすることを通じて、派遣先
 での直接雇用を推進する

c 無期雇用への転換推進のための教育訓練等の
 措置を講ずる

 あくまでも、努力義務である点に注意しましょう。

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two 派遣先の労働者と派遣労働者の均衡待遇
 (法第30条の2)

 派遣元は、派遣労働者について、その者と同種の
業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮し
つつ、賃金の決定、教育訓練、福利厚生の実施等
について配慮しなければならない旨の規定が設け
られました。

 これに伴い、派遣先は、派遣元の求めに応じ、
派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事
する派遣先の労働者に関する情報を提供する等
必要な協力をする努力義務規定が設けられました
(法第40条の3)。

 ただ、実際上、派遣元が、自らの顧客である派遣
先に「ねえねえ、あなたの会社の従業員さんの給料
を教えてくれますか」などと言えるわけもなく、まあ
どうなのかなという感じはします。

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three 関係者に対する情報提供の義務(法第23条)

 派遣元は、労働者派遣事業の業務に関する
以下の事項について、関係者(派遣労働者や
派遣先等)に対し、あらかじめ情報の提供を行わ
なければなりません。

a 事業所ごとの派遣労働者の数

b 派遣先の数

c マージン率

d 教育訓練に関する事項

e 労働者派遣に関する料金の平均額

f 派遣労働者の賃金の平均額

g その他労働者派遣事業の業務に関し参考と
 なると認められる事項

 このうち、マージン率とは、以下の計算式に
よって求められる数字です。

(派遣料金の平均額-労働者の賃金の平均額)
÷ 派遣料金の平均額

 つまり、ごく簡単に言えば、派遣元が派遣先から
もらう料金のうち、どれだけを派遣元が自分の懐に
入れているかを表す数字でしょうか。

 また、同時にこんな規定もできています(法第34
条の2)。

 派遣元は、派遣労働者に対し、雇入れ時、派遣
開始時、派遣料金額の変更時にその者に係る
労働者派遣料金額を明示しなければならない。

 派遣労働者が、自分のもらっている賃金が派遣
料金に対して適正であるかを知ることができるた
めの規定です。 

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four 派遣労働者の雇用期間の通知(法第35条)

 派遣元は、労働者派遣をするときは、派遣
労働者が有期雇用の労働者であるか否かを
派遣先に通知しなければなりません。

 この規定は、前提となっている規定の話を
しないとわかりにくいと思います。

 すなわち、派遣先が労働者派遣の受入期間
に制限のない業務につき、派遣元から3年を
超える期間継続して同一の派遣労働者を受け
入れている場合、その同じ業務に新たに労働
者を雇入れようとするときは、派遣先は、その
労働者に労働契約の申込をしなければならない
という規定があります(法第40条の5)。

 今回の改正で、その派遣労働者が無期雇用
の労働者であるときは、この申込の規定は適用
されないこととなりました。

 そこで、その派遣労働者が、無期雇用か
有期雇用かという点が重要となり、これを通知
してくださいというのがこの規定の趣旨です。

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five 労働者派遣契約の中途解除にあたって
 講ずべき措置
(法第26条、第29条の2)

 派遣先と派遣元との間で結ばれる労働者派遣
契約が中途解除されたからといって、派遣元は
派遣労働者を解雇することは原則としてできません。

 新たな派遣先がすぐ見つかればそれでよいの
ですが、それが難しい場合は、労働契約の残り
の期間は派遣労働者に自宅待機をしてもらう等
により休業手当等の費用が発生します。

 この費用等について定めたのが、この規定です。
これまでは、指針によって規定されていた事項が
法定化されました。

 内容は、以下のとおりです。

 派遣元及び派遣先は、労働者派遣契約を締結
する際、労働者派遣契約の解除にあたって講ず
る措置を定めなければならない。

 すなわち、派遣労働者の新たな就業機会の確保、
派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する
費用を確保するためのその費用の負担に関する
措置、その他の派遣労働者の雇用の安定を図る
ために必要な措置に関する事項を契約書に定める
こと。

 また、派遣先は、派遣先の都合により労働者派遣
契約を中途解除するにあたり、派遣労働者の新たな
就業の機会の確保、派遣元が派遣労働者に対し
休業手当等の支払に要する費用についての負担、
その他の派遣労働者の雇用の安定を図るために
必要な措置を講ずること。

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 次回は、C 違法派遣に対する規制強化
関する改正事項をご紹介します。

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