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法改正事項(4)

 来年試験に向けての法改正事項。

 第4回の今日は、労働者派遣法(派遣法)の
改正事項についてご紹介いたします。

 今回の派遣法の改正は、かなり多岐にわたり
ますので、その中の主なものを数回に分けて
お話しします。

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 そもそも今回の改正は、どのような目的で
行われたのか。これが、法律名の改正に表れ
ています。

 一般的に「労働者派遣法」と呼ばれている
この法律ですが、正式名称があります。

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び
派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律

 これが従前の正式名称ですが、これが以下
のように変わりました。

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び
派遣労働者の保護等に関する法律

      派遣労働者の保護

 これが今回の派遣法改正の大きな目的です。

 これまで派遣法は、大きな流れとしては
「派遣労働の規制緩和」という方向性で何度も
法改正が行われてきました。

 それが、今回は「派遣労働の規制強化」と
いう、これまでとは異なった方向性に舵を
切りました。

 その意味で、今回の派遣法改正はこれまでの
派遣法改正とは異なる意味を持つものと言う
ことができます。

 これに伴い、1条(目的条文)の中にあった

 派遣労働者の就業に関する条件の整備等を
図り

 という部分も、

 派遣労働者の保護等を図り

と改正されています。

 
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 ここから具体的な中身に入っていきますが、
今回の派遣法改正に基づく規定は大きく以下
の3つのカテゴリーに分類することができます。

A 事業規制の強化

B 派遣労働者の待遇の改善

C 違法派遣に対する規制強化

 まず、A 事業規制の強化に関する改正
規定を見ていきます。

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one 日雇派遣の禁止(法第35条の3)

 各種報道等でも一番クローズアップされている
規定なので、ご存じの方も多いと思います。

 まず、派遣法で日雇労働者を定義づけました。

 日々又は30日以内の期間を定めて雇用する
労働者

 雇用保険法と同じ定義です。

 この日雇労働者については、労働者派遣が
禁止されました。

 ここで間違えてはいけないのは、あくまでも

 「日雇労働者」について、労働者派遣を行っ
てはならない

 としているだけだということです。

 なにが言いたいかというと、例えば派遣元が
派遣労働者と31日以上の労働契約を締結して
(この派遣労働者は「日雇労働者」ではない)、
この派遣労働者を数日だけ派遣先に派遣すると
いう形態の派遣は、この規定で禁止されるもの
ではないということです。

 ただ、通常、登録型派遣の場合、雇用期間と
派遣期間は一致しますので、一般的に「日雇
派遣の禁止」という言い方をしています。

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 この日雇派遣の禁止規定については、例外が
2つ設けられました。

 まず、1つめ。

ア 日雇労働者の適正な雇用管理に支障を
 及ぼす恐れがないと認められる業務

については、例外的に日雇派遣が認められます。

 これは、従来から規定されているいわゆる
「専門26業務」と呼ばれている業務の中から
18業務が選ばれています(詳細はここでは
省略します)。

 次に、2つめ。

 雇用の継続を図るために必要と認められる
 場合

については、例外的に日雇派遣が認められます。

 具体的には、

a 60歳以上の高齢者

b (雇用保険法で被保険者とされない)昼間学生

c 副業として従事する者(生業収入が年500万
 円以上ある者)

d 主たる生計者でない者(その日雇労働者が
 生計を一にする配偶者等の収入により生計を
 維持している者であって、世帯収入が500万
 円以上ある者)

 以上の者については、日雇派遣が認められます。

 イメージとしては、その派遣労働からの収入が
メインで生活しているような人は不安定な日雇派遣
に就かせないようにするが、派遣労働からの収入が
副収入であるような人については例外的に日雇派遣
も認めますよという感じでしょうか。

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two 離職労働者の派遣の禁止(法第40条の9)  

 派遣先は、受け入れようとする派遣労働者が、
その派遣先を1年以内に離職した者(60歳以上
の定年退職者を除く)であるときは、その者を
派遣労働者として受け入れてはならない

という規定が新たにできました。

 自社でリストラした元従業員を、今度は派遣
労働者としてまた元の職場に受け入れるなんて
ことができないようにするための規定です。 

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 次回は、B 派遣労働者の待遇の改善に関する
改正事項をご紹介します。

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