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22年本試験選択式について

 今年の選択式試験について、私の思うところを書きます。

 注)これはあくまでも私の個人的な考えです。「実際にどの科目
   が救済になるのか」等は、様々な人が様々な事を言います
   が、本当のところは結果発表の日まで誰にもわからないわ
   けですから、参考程度に見ておいて頂ければと思います。

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 まず、全体で見ると、ここ数年の中では難易度が高い方だと
思います。

 普通に勉強していた方でも、油断するとどの科目(労災と雇用
は除く)においても「3点割れ」になる可能性がありうる問題だと
思います。

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 では、科目ごとに見ていきます。

[労基・安衛]

 いきなり見たことのない判例が3つ出てきて面食らった方も多
いと思います。少なくともO原の教材や私の授業では取り上げ
ていない判例です。

 それでも冷静に1つずつ見ていくと、AとBについては現場思
考である程度正解にたどり着くことができるのではないでしょう
か。

 まずAに入りそうなものを4つ選び出すと、他の空欄との関係
から

    1解雇、9試用期間、16内定期間、19雇止め

となります。

 そしてAの前を読むと、「右期間(当該期間)は契約の存続期
間ではなく、(A)であると解するのが相当である」と言ってい
ますから、「~期間」という言葉が入るのではないか。

 とすると、選択肢のうち「~期間」となっているもの、9か16
です。

 既に雇用契約を締結しているのに「内定期間」はおかしいだ
ろうと。よって、「9試用期間」かな‥‥と。

 Bについても、空欄の後ろ「~を図る」を頼りに、まずここに
入りそうなもの4つを選びだすと、

 6互譲の手続、7事前の調整、13団体交渉、20労使協議

ですが、有給を取るためだけに、団体交渉とか労使協議は無い
かなと。

 とすると、6か7。どっちだろう。ここまで絞ることができます。

 ここから先は現場思考だけでは無理かもしれません。でも、こ
こまで絞ることができれば、ここから指運で選んでも50%の確
率で正解できます(無理やりこじつければ「手続を図る」と「調
整を図る」のどちらが日本語として自然かで「7事前の調整」を
選べると言えなくもないですが、これは後からこじつけただけだ
と批判されるでしょう)。

 続いて、Cの空欄は、入りそうなものが

 4権利の乱用 5公序に反するもの 10信義に反するもの
 18不法行為

の4つでしょうが、これは知っていないとと選びようがないので
はないでしょうか。どれを入れても文章は日本語として成り立
つ可能性があると思われます。

 DとEの空欄。安衛ですが、これは条文通りですから確実に入
れてください。

 ということで、DとEで2点確保。あとは、AかBのどちらかを
取って、なんとか3点は確保。

 A ○  B ○  C △  D ◎  E ◎
 
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[労災]

 AとBはまさに直球ストレートど真ん中。確実に取ってください。

 C以下の空欄の文章はあまり見慣れない文章です。

 まずCは「派遣労働者が(C)との間の労働契約に基づき‥‥」
とありますから、派遣労働者が労働契約を結んでいる相手、つま
り「16派遣元事業主」が入ります。

 Dは、知らなければ入れられないと思います。

 Eは、「‥‥支配下にある場合には、一般に(E)がある」と
あります。

 「労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある」という
ことは、業務災害の「4業務遂行性」の話でした。

 ということで、AとBは確実にゲット。CかEどちらか入れば
3点割れはありません。

   A ◎  B ◎  C ○  D △  E ○

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[雇用]

 昨年に引き続き、基本事項からの出題です。5点満点も十分に
狙えます。

   A ◎  B ◎  C ◎  D ○  E ◎
 

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[労一]

 この文章をどこかで読んでいれば知識で解けますが、現場思考
でも対応できる問題です。

 Aについては「少子化」と出てくれば「9高齢化」、反射的に
これだけで解いてしまった方もいるかもしれませんが、Aに入り
そうな選択肢を4つ挙げてみると、

   1格差拡大、8高学歴化、9高齢化、13雇用不安

このうちAの後に出てくる「人口減少社会」という言葉とつなが
るのは、やはり「9高齢化」しかありません。

 Bも、男女雇用機会均等法で「(B)を尊重されつつ」とある
から「19母性」が自然に入るような気もします。Bに入りそう
な選択肢は、

    2家庭、7経歴、16女性、19母性

ですが、Bの前に「女性」労働者とあることから、この4つなら
やはり「19母性」でしょう。

 Cは、「(C)を整備」とあるところから入りそうなものを
4つ並べてみると、

  3家庭環境、5教育環境、11雇用環境、17地域環境

 ここでは労働の話をしてるわけですから、「11雇用環境」
が入ります。

 DとEは知らないとなかなか入れづらい空欄かと思います。
それぞれDなら「6、12、15、20」、Eなら「4、10、
14、18」と入りそうな語句を分類してその中から選ぶしか
ありません。

 以上より、A、B、Cを確実に取る。D、Eはどちらか取れ
たら取るということで、3点割れは回避できるかと。

   A ◎  B ◎  C ◎  D △  E △

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[社一]

 Aは基本事項ですので、取ってください。

 Bは、最初に出てきた空欄ではわからないかもしれませんが、
再び最後に出てきた空欄で当たりがつくのではないでしょうか。

 入りそうなものは、

1厚生労働大臣、5個人型個人別資産管理機関、
14日本年金機構、16個人型記録関連運営管理機関 

ですが、うろ覚えでも「16個人型記録関連運営管理機関」を
選ぶことはできそうです。

 Cは確定拠出年金の給付の種類ですから、基本事項です。
「2脱退一時金」は入るでしょう。

 DとEの空欄は、O原の教材と私の授業では一切触れていな
いところです。他の資格学校の模試等で見たことがある方は入
れることができたかもしれませんが、そうでない方はお手上げ
かもしれません。

 ということで、A、B、Cを確実にゲット。そうでないと、3点
割れもありえます。

   A ◎  B ○  C ◎  D △  E △

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[健保]

 Aは基本事項です。国年の前納は「各月が経過した際」である
ということで対比でよく話されるところです。

 Bも択一過去問で13年・17年と訊かれているところですか
ら、入るでしょう。

 Cも健保の任意継続ではあまり訊かれませんが、国年の前納で
は何回も過去問で訊かれているところですから、その類似性から
なんとなく入れることはできたかt。

 Eに入りそうなものは、

8直接全国健康保険協会、
11適用事業所の事業主を経由して全国健康保険協会、
12日本年金機構を経由して全国健康保険協会
20適用事業所に事業主を経由して日本年金機構

の4つですが、まず任意継続ですから11と20はないなと。
そうすると残るのは8か12ですが、任意継続被保険者の適用
徴収は厚生労働大臣ではなく協会がするということを思い出し
ていただければ「8直接全国健康保険協会」が入るかと。

 ということで、AとBは確実に取る。CかEを正解できれば
3点割れはありません。

    A ◎  B ◎  C ○  D △  E ○

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[厚年]

 Aは60歳台前半の在職老齢年金の計算問題でした。ただし、
4つある計算式のうち一番基本の計算式を使う問題でしたから
多くの方が正解できたと思います。

 Bは高年齢雇用継続基本給付金との調整に関する計算問題で
した。ここは「100分の6」だけ覚えておけばよいなんて言われ
るところで選択での計算問題の出題なんて予定していなかった
かもしれませんが、これも基本的な計算でした。

 まさにこの「100分の6」を使う計算問題でしたので、
択一対策だけで解ける問題です。

 Cはわからなかった方が多いと思いますが、入りそうなもの
を挙げると、

3 10日以内に、併給調整届を日本年金機構に
8 翌月10日までに高年齢雇用継続給付支給開始届を日本年
  金機構に
9 速やかに、支給停止事由該当届を日本年金機構に
11 5日以内に、在職老齢年金受給届を所轄公共職業安定所
   長に

 このうち、8と11はありません。8については、年金の勉強
をしていて書類の提出期限が「翌月10日」のものってありま
したか?。11については、雇用保険の勉強をしていて書類
の提出期限が「5日以内」のものってありましたか?。

 そう考えると、答えは3か9に絞れます。ここから先は、知
らなければ答えられないと思います(ただし、指運で選んでも
50%の確率で当たる)。

 Dに入りそうなもの4つは、
2 昭和41年4月2日以後
6 昭和24年4月2日以後昭和28年4月1日以前
14 昭和28年4月2日以後昭和36年4月1日以前
20 昭和36年4月2日以後

ですが、一般男子の老齢厚生年金の引上げスケジュールを思い
出して頂くと、2はまずありません。昭和41年が出てくるの
は、女性の場合でした。

 そして6もありません。6の人は60歳から報酬比例部分が
もらえる人ですから、老齢厚生年金を繰り上げる必要がないか
らです。

 となると、14か20ですが、14もありません。

 なぜならば、問題文をよく読むと「65歳に達する前に厚生
労働大臣に老齢厚生年金の支給繰上げをすることができる」と
あります。14の人が老齢厚生年金の支給繰上げをすることが
できるのは、この人が「支給開始年齢に達する前」つまり報酬
比例部分がもらえる年齢前まででした。

 順を追って考えていくと、こうなります。

 Eについては、入りそうなもの4つは、

7 65歳に達した
12 定額部分支給開始年齢に達した
16 被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者の資格を喪失
   した日から起算して1か月を経過した
19 報酬比例部分支給開始年齢に達した

ですが、Dの答えから12と19はありません。残るは7と
16ですが、16はありません。

 退職改定で計算の基礎とされるのは「資格を喪失した月前」
における被保険者であった期間ですので、3つある(E)の
2つ目の空欄で意味が通じなくなります。

 この部分は択一でよく訊かれていますので、16は入らない
と気づいた方も多いと思います。

 ということで、Aはまず確実にゲット。B、D、Eの中から2つ
取れれば3点割れはありません。

    A ◎  B ○  C △  D ◎  E ○

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[国年]

 ひとこと「なんだ、これ」です。自分が試験を受けていたら、
「終わった」と思っていたでしょう。

 ただ、出てしまったものは仕方ありません。余談ですが、よく
試験問題に文句を言う人がいますが、私はそれは筋違いだと思い
ます。私も授業でよく「この問題はくそ問題」とか言いますが、
試験というのは圧倒的に受ける方が立場が弱い。問題が自分に合
っていないのではなく、自分を問題に合わせていく作業が試験勉
強なのではないかと思いますので、声高に「こんな問題では真の
実力がわからない」云々と批判をするのはちょっと違うのではな
いかなあと、そういう気がしています(ただし、解なしや複数正
解問題等は徹底的に批判されてよいと思います。そのような問
題を出題することは、真剣に試験勉強してきた人達に対して礼を
失する行為だと思います)。

 本題に戻ります。O原テキストにはBが掲載されています。そ
して、私が初学者クラス、上級者クラスで配布したプリントにA
が一応数字としては載っています。あとDは文脈から8か14に
絞ることができるかなと。

 ただ、授業の中の説明ではこの部分を流していってしまった私
がこんなことを言っても言い訳にしかならないでしょう。みなさ
んが他の資格学校の模試(TACは毎年ここを模試で出していた
ようです)や、自分の勉強でおぼろげながらでも数字を押さえて
いてくれていたことを祈るのみです。

 今年の選択で救済があるとすれば、第1候補だと思います。
 
   A ○  B ○  C △  D ○  E △

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 私の個人的な感想を書きました。択一式は少し時間がかかる
と思いますが、また後日。

 引き続き、みなさんの「本試験に対する感想」をコメント欄で
お聞かせください。

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コメント

 Qtoさん、しみずさん

 みなさんの残念な気持ちは、とてもよくわかります。

 ただそれが試験センターには届かないんですよね。私が受験
していた頃からそうでした。

 誰か合格後に連合会会長になって試験改革をしてください
(「お前がやれ」という突っ込みはなしで)。
 

1年間分かりやすい講義ありがとうございました。
先生オリジナルのあのプリントをもっとよく見ておくべきでした(涙)
選択で足きりですので、また来年受験します!

yahooの知恵袋で国年選択の話題がありました。
没問ではないのかと…

私では詳しくは分からないので、先生にも、今年受験された人にも一度見ていただきたいなぁ〜と思いました。
質問してる方は、すごく賢い方だなぁと思いました。

http://chie.mobile.yahoo.co.jp/p/chie/qa/view?qid=1045717355&ySiD=Xhd8TK8Bad2cYY1WdSmv&guid=ON

http://chie.mobile.yahoo.co.jp/p/chie/qa/view?qid=1445789879&ySiD=Xhd8TK8Bad2cYY1WdSmv&guid=ON

昨日も、合格ライン説明会を聞いた。
本日、O原のK川先生と話をしてきました。

今年の試験は、問題の作りが粗いと言っておられた。
自分にとっては、あまりにも酷過ぎると思えた。
(それだけ、問題が理解ができるようになったということで、O原の先生方には大変感謝している。)
ところで、選択式健康保険の問題で間違いがあることがわかりました。
回答には影響がないと思われるので、正式なコメントが出るかどうか?
でも、受験生にとっては、失礼なことです。
せめて、訂正のコメントを出してほしいものです。
【選択 健康保険】
2のところ「喪失日が翌日となっていますが、被保険者になった日に喪失ですよね!!」
まったく、どうなってんだろう。
自分が間違ってたら、ごめんなさい。

 Qtoさん

 救済基準がはっきりしないのもよくないと思います。

 単に合格者の人数調整の言い訳に使われているだけのような
気もします。

先生のコメントは、いつも参考になります。
国年問題でO原の結果発表も見ましたが、数字を覚えている覚えていないで・・・知識力(記憶力?)を問う(運に作用される・・)(正確でなくてごめんなさい。)と解説されていました。数字にしろ、単語にしろ記憶に無いのならこのような試験はみな同じと思いますね。ただし、その覚えていなければならない事項(数字も含む)がどうかということだと思います。社労士あるいは、このような社会保険関係のことに携わるなら、常識的に知っているかどうかではないでしょうか。
今年の国年は、O原の講義で説明をされていた先生がいました。わざわざ厚労省のHPから印刷した紙(年金額の改定の仕組み、年金水準の推移(概念図)入り)を配っていただきました。(P160が物価スライド特例措置、P161の上に自分はその紙をテキストに糊づけしていました。)TACの模試に出ていたとか(自分は知りません)書き込みがされているようです。足切りは、基準がはっきりしないのが一番の問題と思います。「※上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度合格基準を補正したものである。」と述べるにとどまっている。ここの考え方をもっと発表してくれればこんなに悶々とした日々を過ごさなくてもと思う一人です。
昨年の厚年とか労一のようなO原等々外しました。今年も多数科目で補正をしてほしいと願うばかりです。

 まことさん

 社労士試験はご存知のように絶対評価(何点以上取れば合格)
の試験ではなく、相対評価(大体上から何%が合格)の試験で
すから、多くの人の出来が悪ければ、当然合格基準は下がって
きます。

 今年の選択式でどれだけの人が全科目で3点をクリアーした
か正確なところはわかりませんが、それほど多いとも思えません。

 結局、11月の発表まで待つしかないのかもしれません。

本試験の時 選択が終わり今までにないような静かな雰囲気でした。誰もがショックだったようです。僕も社一・厚年・国年で足切りでした。
今年は選択にも力を入れたつもりでしたが残念です。
後は救済を頼るしかないです。
択一も今まで以上に長文が多くまた解答できない問題があり時間かかってしまい見直しの時間があまりとれなかったのが感想です。
解なしや解答がいくつかある問題はやはり試験センターのミスで正直腹が立ちます。
受験生が絶対服従の環境であまりにも失礼に思えます。

 みそのさん

 解なし問題等は、私が受験していた頃にはよくありました。
当時、申入れをした資格学校もあったやに聞いています。

 その後試験問題作成者が公開されるようになり、ここ2~3年
はそういうこともなかったのですが‥‥。

 本当に困ったものです。

残念ながら開講日の関係で先生の講義は受けられず…
でもこのサイトはいつも参考にさせてもらいました。
ありがとうございました。

選択の国年は、
・例外事項(特例措置)は頻出
・受験生は厚労省HPをチェックしているはず
という考えで、出題者としてはストレート
ど真ん中を投げたつもりなんでしょうか?

解なしや複数解は受験生に対して失礼だと
いう先生のご意見に同感です。学校から
正式に抗議してもらえないでしょうか。
黙っていたらきっと今後も同じことが繰り返されると思うので…

 かわさん

 1点救済の可能性も十分あると思いますよ。実際以前にも健保
で1点救済が行われているわけですし。
 救済科目だけは本当に各資格学校とも予想を外します(笑)。
必ず平均点の低い順に救済されるわけではないですし、どうい
う時に2点救済でどういう時に1点救済かも規則性はありません。

 択一の点数がそこそこ取れているならば、ふたをあけるまで
本当にわかりませんので、できるだけ前向きに考えた方がよい
のではないでしょうか。

先生のコメントみて少しの期待と、
でも国年救済絶対あると確信していた私は、
あるとしたら第一候補のコメントに
1点救済は有り得ないかも・・・。
落胆

選択国年1点・・・。悔やまれます

試験前は寝言で労基法が・・・と言っていたみたいですが、
今は結果の夢をみます

11月まで長いです

1点救済の奇跡があれば択一も通るだろうに・・・

来年に向けてスタート切るには、まだ望みを捨てきれない・・・もう脚きり点決まってるのか・・・そんなことまで
気になる日々です

択一のコメントまっております

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