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在職老齢年金

厚年20-10
 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である
場合、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額
との合計額が28万円以下のときは、年金の支給停止は行わ
れない。

■■解説■■

 先日リクエストを頂いた在職老齢年金制度の問題です。

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 そもそも在職老齢年金制度とは、なんなのか?。

 老齢厚生年金をもらっている人が同時に厚生年金の被保険者
であるときに、老齢厚生年金の額を減らす制度です。

 つまり、老齢厚生年金というのは、仕事を辞めていわば「老後」
に入った人がもらう趣旨の年金なので、まだ仕事を続けていて
一定の収入のある人については年金額を減らしてしまおうという
ことです。

 この制度は、大きく分けて2つに分かれます。

 65歳前の在職老齢年金と、65歳以後の在職老齢年金です。

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 まずは、65歳前の在職老齢年金から。

 65歳前ですから、減額の対象となるのは60~64歳まで
のいわゆる「特別支給の老齢厚生年金」です。

 では、どんな条件を満たすと「特別支給の老齢厚生年金」は
減額されるのか。

  総報酬月額相当額 + 基本月額 > 28万円

である場合に、減額対象となります。

 総報酬月額相当額とは、

  標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額÷12

 簡単に言ってしまえば、その人の年収(毎月の月給額+1年間
のボーナス額)を12等分した額のことです。

 基本月額とは、

  老齢厚生年金の額 ÷ 12

 つまり、その人のもらっている年金額の1か月のことです。

 この2つを足し合わせた額が28万円を超えるときに、初めて
年金の減額が行われます。

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 では、いくら減額されるのか。これがテキストに出てくる4つの
式です。以下の4パターンにわかれています。それぞれの式は
テキストを見てください。

1 総報酬月額相当額が47万円以下のときで

 (1)基本月額が28万円以下のとき

 (2)基本月額が28万円を超えるとき

2 総報酬月額相当額が47万円を超えるときで

 (1)基本月額が28万円以下のとき

 (2)基本月額が28万円を超えるとき

 このブログでは、支給停止調整開始額とか支給停止調整変更額
という言葉を28万円とか47万円とかに置き換えて書いています。

 最初は数字で理解しておけばよいと思います。いきなり言葉で
覚えようと思っても難しいですから、慣れるまでは数字で押さえ
ておけば十分です。

 4つの式の中では、特に1(1)をまずはしっかり押さえておき
ましょう。

 年金相談でも一番多いパターンですし、65歳以後の在職老齢
年金で使われる式と数字が違うだけで仕組みが同じだからです。

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 次に、65歳以後の在職老齢年金。

 こちらは65歳以後の「被保険者」だけではなく、70歳以後
で被保険者でなくなった「被用者」にも制度が適用される点をま
ず注意してください。

 基本的な考え方は、65歳前の場合と同じです。

 どんな条件を満たすと減額されるのかというと、

  総報酬月額相当額 + 基本月額 > 47万円

である場合に、減額対象となります。数字が違うだけですね。

 いくら減額されるのかという計算式も、こちらは1つだけです
のでわかりやすいと思います。 
 
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 話は逸れますが、65歳以後の老齢厚生年金の制度は実はすご
くシンプルにできています。

 この在職老齢年金制度にせよ、支給繰上げにせよ、単純な仕組
みなのです。

 みなさんが老齢厚生年金を難しく感じているほとんどは、65歳
前のいわゆる特別支給の老齢厚生年金の部分なのです。

 在職老齢年金制度の計算式は4つもあるし、雇用保険との調整
とか、支給開始年齢の引き上げとか、障害者・長期加入者の特例
とか‥‥諸悪の根源(笑)は特別支給の老齢厚生年金なのです。

 これが無くなれば厚生年金のテキストもずいぶん薄くなるはず
ですが、少なくとも20~30年は待たなくてはならないですねcat

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本問の答え>○

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コメント

やまねこ先生こんにちは!早速リクエストに答えてもらいありがとうございした!先生のブログとテキストみながら復習しました!とてもわかりやすくて理解できました!ありがとうございましたnote

社労士の資格がとれたら年金相談の仕事をしたいなぁsign04と思っていたのですが厚生年金が難しくて挫折しそうでしたweep
あと65歳からの老齢厚生年金はシンプルで悩まされてるのは65歳前の老齢厚生年金だという先生の言葉にもなるほど!と思いました!今までグチャグチャになっててサッパリわからなかったんですけど少しずつですが自分の中で整理できてきた気がしますhappy01
試験まであと少しで時間もなく焦りますが合格できると信じて頑張りますpunch

海さん 蛇足コメです。

そうですね。不安ですよね。
やまねこ先生のおっしゃる通り、30%間違えて合格。取りあえずの目標は60%でしょう。

肢でも考えてみて下さい(簡単な確率計算です)。気が楽になり、正しい取組みが出来ると思います。

5肢の内、2肢が分る(3肢判らない)状態が目標レベルですよ。0肢でも鉛筆転がしで20%、1肢-40%、2肢-60%、3肢-80%、4肢-100%です。5肢は不要。

合瀬は本試験でも意識しました。

正しく正誤を判断出来る肢を増やすのが勉強。曖昧な知識は命取りです。
合瀬は語呂合わせに命をかけました。勿論、人それぞれです。

 海さん

 いつもブログを読んで頂きありがとうございます。

 確かに過去問を見ると教科書レベルを超えた問題も出題されています。

 しかし、それらを全部正解しないと本試験で合格点に達しないかと
いうとそういうわけでは決してありません。

 択一式でいえば70点満点のうち、少なくとも3割(21点)は間違える
ことができるわけです。

 「全部の問題が解ける必要はない」。こう考えると少し気が楽になり
ませんか?。

 今年初めて受験される方であれば、これから3か月の勉強次第で本試
験日直前まで実力は飛躍的に伸びていきます。

 まずは過去問をしっかり押さえる。それができたら答練・模試の復習。

 これをしっかりやっていけば、十分合格ラインに届きます。

 あきらめず勉強を続けていってください。
 

こんにちは。先生の講義を聞いております。
ここのHPの問題をやってみました。講義やトレ問だけでもわかるくらいの、このくらいの問題ですと、理由付けが曖昧なものもまだまだあるのですが、回答できました。

最近心配なのですが、国家試験ですし、教科書レベルでは解答できないものが多数出題されたらどうしよう。。。と思っています。ちなみに、当方は去年5月~学校の講義のみ(テキスト、トレ問)の学習で、実務経験はありません。本試の1年分の問題は、まだやっておりません。。。今回の試験が2、3回目という人も多数いると思います。これからも復習をする予定ですが、そのような人と同じ試験を受けると思うと、今からとても心配です。。。何かいいアドバイスはありますでしょうか?よろしくお願いします。

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