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減給の制裁

労基14-6
 就業規則で、労働者が遅刻をした場合にその時間に相当する賃金
額を減額する制度を定める場合には、減給の制裁規定の制限に関す
る労働基準法第91条の規定の適用を受ける。

■■解説■■

 労働者に対する制裁には、いくつか種類があります。

 一般的には、「戒告」「譴責」「減給」「出勤停止」「諭旨解雇」
「懲戒解雇」などが挙げられます。

 ここで問題となっているのは、この中の1つ「減給」です。

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 「減給」とは、賃金から一定金額を控除する制裁です。

 そもそも労働契約は、以下のような関係で成り立っています。

        賃金支払(給料)dollar
      ----------→
使用者                    労働者
      ←----------
        労務の提供(働く)run

 労働者は働き、使用者は労働者が働いた分の給料を払う。こんな
関係です。

 「減給」は、労働者は働いているのに(労働者が悪いことをした
から)働いた分の給料を払わない。

 そんな制裁です。

----------------------------- 

 本問の場合、労働者は遅刻をしています。

 ということは、遅刻をした時間分について労働者は当然働いてい
ません。

 働いていない時間について、給料を払わない。これは上に書
いた「減給」とは場面が違います。

 「減給」は働いているのに働いた分の給料を払わない、です。

 本問の場合は、そもそも労働者が働いていないから、働いていな
い時間の給料を払わない。

 場面が違いますね。ですから、この場合「減給」の制裁に関する
規制の適用は受けないのです。

 そもそも労働者が働いていないから、働いていない時間の給料を
払わない。これを「ノーワーク・ノーペイの原則」といいます。

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 こんな問題も出題されています。

16-7
 就業規則に制裁として出勤停止及びその期間中の賃金を支払わな
い定めがある場合において、労働者が、例えば5日間の出勤停止の
制裁を受けるに至ったときは、当該5日間の賃金を支払わないこと
は、制裁としての出勤停止の当然の結果であって、労働基準法第
91条の減給の制裁の制限には関係ないものである。

この問題の答え>○ ノーワーク・ノーペイの原則です。

 労基では、ノーワーク・ノーペイの原則が表れている箇所がいく
つかあります。

 公民権行使の保障(7条)、産前産後の休業期間(65条)、
育児時間(67条)、生理休暇(68条)など、これらに要した時間
等についてはいずれも「特に有給であることは要求されておらず、
当事者間の取決めによる」とされています。

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 労働の提供がなかった時間分の賃金を差し引くことは、「減給の
制裁」ではありません。

本問の答え>× 

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