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小規模法人代表者の特例

健保17-7
 被保険者数が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者
であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事して
いる者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因し
て生じた傷病に関しては、健康保険による療養の給付が行われない。

■■解説■■

 まずは、健康保険法の目的条文(第1条)をチェック!

 「健康保険法は、労働者の『業務外の』事由による疾病、負傷‥‥

とあるように、健康保険法の守備範囲は「業務外の」ケガ・病気
(これを私傷病といいます)です。

 つまり、

 業務上のケガ・病気‥‥労災でカバーする

 業務外のケガ・病気‥‥健康保険でカバーする

 と区分けされているのです。

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 ここで、具体的な場合を考えてみます。

 個人事業として細々と建設業を営んでいるAさん。従業員と一緒
に現場に出て働いています。

 この人は、個人事業主ですから、労災にも健康保険にも加入でき
ません(労働者・使用される者ではないから)。

 Aさんは、国民健康保険に加入することになります。

 それに対して、会社とは名ばかりでこちらも細々と建設会社を営
んでいるBさん(社長)。社長自ら従業員と一緒に現場で働いてい
ます。

 名ばかりとは言え、会社(法人)です。ということは、Bさんは
労災には加入できないものの(労働者ではない)、健康保険の被保
険者にはなります。 

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 AさんとBさん。同じような立場にある2人ですが、業務上のケガ
を負ってしまった場合、2人の運命は分かれます。

 Aさんは、国民健康保険によって保護されます。国民健康保険は、
健康保険と違ってその対象を「業務外」の病気やケガに限定していな
いからです。

 自己負担3割があるとはいえ、まあ公的保険の保護が受けられます。

 それに対して、Bさん。

 社長は労働者ではありませんから、労災の適用は原則としてありま
せん。

 では、健康保険はどうかというと、本問のケガは「業務上」のもの
ですから、健康保険も使えません。

 Bさんは、労災も使えず、健康保険も使えず、公的保険の保護を受
けられない状態に陥ってしまうのです。

 同じような働き方をしているAさんとBさんなのに、こんな異なっ
た結論になってしまって良いのでしょうか?。

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 それに対して、結論を出したのが本問のベースになっている平成
15年の通達です。

 この通達は、

1、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表
  者等であって

2、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者

 については、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じ
た傷病に関して、健康保険による保険給付の対象とする

 としました。

 つまり、上記のBさんのケガについても、健康保険が使える途が開
けたということです。

 これで、めでたし、めでたしということになったわけです。

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 この通達については、もう1つだけ押さえておいてください。

 健康保険による保険給付の対象とするということですが、ここで
いう「保険給付」には傷病手当金は含まれません

 すなわち、上記のBさんについて、傷病手当金までは出ないよと
いうことです。

 ここは、平成19年1番で訊かれてます。

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本問の答え>× 

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