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遺族厚生年金

厚年

 65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自分の老齢厚生年金
の受給権を有する場合は、老齢厚生年金を全額支給して、遺族厚
生年金についてはその差額を実際に支給することになった。

■■解説■■

 改正前は、遺族厚生年金を受給するか、老齢厚生年金を受給す
るかは受給権者の選択でした。

 たいていの場合は、額の多い方を選択するという結論になります。

 例えば、老齢厚生年金を受給していた夫が亡くなった妻の場合で、
妻自身の老齢厚生年金が80万円、遺族厚生年金が90万円であれ
ば、選択肢として以下の3つが考えられます。

1、老齢厚生年金を受給 80万円

2、遺族厚生年金を受給 90万円

3、老齢厚生年金の1/2+遺族厚生年金の2/3 100万円

 最も額の多い3を選択することが通常です。

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 改正後は、まずなにを置いても老齢厚生年金が支給されることに
なります。

 つまり、上の例で言えば、80万円が老齢厚生年金として支給さ
れます。

 そして、もらえる最高額(100万円)との差額(20万円)が遺族厚生
年金として実際に支給されます。

 まとめると、こういうことです。

 老齢厚生年金として80万円を支給

 遺族厚生年金100万円のうち、80万円は支給停止、20万円
を実際に支給

 受給権者からしてみたら、今まで通り100万円がもらえる。

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 受験ではおそらく訊かれないでしょうが、実はこの制度にはちょ
っとしたカラクリがあります。

 今まで通り100万円がもらえるなら改正前も後も変わらないじゃ
ないかと思われがちですが、実は以下の点が異なります。

1、まず、遺族厚生年金として受給すれば非課税ですが、老齢厚生
年金として受給すると課税対象になる。

2、老齢厚生年金として受給すると、上の例の妻が仮に働きに出ると
(厚生年金の被保険者になると)在職老齢年金の仕組みによる支給
停止がかかる可能性がある。
  遺族厚生年金として受給していれば、このような制限はない。

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 こういった話を、政府は積極的にしようとはしません。

 「改正しても、もらえる年金額は変わりませんよ」という説明
だけがなされています。

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