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択一式直前対策の予定

 7月から行われる択一式直前対策における各回の科目は、以下の
とおりです。

 1回目 労基・安衛
 2〃  労災・雇用
 3〃  雇用・徴収
 4〃  労働一般
 5〃  健保
 6〃  国年
 7〃  厚年
 8〃  社会一般

 授業前半75分間で択一問題25問を解いていただき、その後に
解説という形式になります。

 都合により、6月中はブログの更新をお休みします。

日白社会保障協定

社一

 ベルギーとの間で社会保障協定が締結され発効しました。

■■解説■■

 年金(医療等が含まれる場合もあり)の二重適用防止や受給
資格期間の通算を目的とする、いわゆる「社会保障協定」が
ベルギーとの間で締結され、平成19年1月1日より発効しま
した。

 ドイツ、イギリス、韓国、アメリカに次いで、5か国めにな
ります(実は、この6月から、フランスとの間の協定も締結さ
れ発効していますが、これは今年の本試験対象外です)。
  
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 社会保障協定については、このブログでもご紹介したことが
ありますのが、簡単に言えば、

 日本人がベルギーの会社に派遣された時は、日本かベルギーの
どちらかの年金に加入するだけでよい。

 日本人がベルギーで年金に加入した期間も、日本の期間と併
せて受給資格期間をカウントしてくれる。

 つまり、二重加入の無駄・外国年金の掛け捨てが防止される
ことを目的とする制度です。

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 ちょこちょこと本試験で出題されています。

 加入国5つは古い順に頭に入れておきましょう。 

* 平成18年合格者の合格体験記は、平成19年1月7日、1月
 14日、1月21日、1月28日、2月4日の記事に掲載されて
  います。是非、お読みください。

紛争解決手続代理業務

労一(社会保険労務士法)

 紛争解決手続代理業務の範囲が拡大されました。

■■解説■■

 いろいろな資格学校で模試が行われています。

 模試は、結果の点数に一喜一憂することなく、復習をしっかり
してください。

 模試はあくまでも練習ですから、どれだけ間違えようが、どれ
だけ点数が低かろうが全く問題ありません。

 みなさんが点数をきっちり取ってこなければならないのは、8月
の本試験だけです。

 模試などというのは、本試験で点数を取れるようにするための
練習なのです。

 模試で間違えたところ、うまくできなかったところ、それが
本試験で出たらできるようにする。そのために復習が重要です。

 ただ受けっぱなしでは、お金を払って模試を受けた意味があり
ません。 
 
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 社労士法の改正です。紛争手続代理業務として、以下の4つが
規定されています。

1)個別労働紛争解決促進法のあっせん手続の代理

2)男女雇用機会均等法の調停手続の代理

3)都道府県労働委員会の行うあっせん手続の代理

4)ADR法に基づく民間紛争解決手続についての代理(新設)

 改正前は、社労士であれば1)は可能でした。しかし、2)や
3)(4)は今年から新設されましたので、改正前にはなかった)
については、社労士はできないこととされていました。

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 これが改正により、1)から4)まで全て可能となりました。
ただし、社労士の中でも特定社労士だけがそれをできることとなり
ました。

 つまり、改正前までは社労士であればみんな1)だけはできまし
たが、改正により特定社労士でなければ1)すらできなくなったの
です。

 特定社労士というのは、社労士の登録をしている人が更に紛争
解決手続代理業務試験という別の試験を受けて合格し、その登録に
付記を受けることによってなることができます。

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 社労士の職域がどんどん拡大しています。

 みなさんも試験に合格したら社労士の登録をして、業界にどんどん
新しい風を吹き込んでください。

児童手当の額

児童手当法

 3歳未満の児童手当が、何番目の子かに関らず1万円になる。

■■解説■■

 今年初めて受験される方は、とにかく目の前にあることをこな
すだけで精一杯の時期かと思います。

 択一の問題を解くことを中心に勉強している方が多いでしょう
が、忘れずに選択式の問題も解いていってください。

 勉強が進んでくると、社会保険労務士試験で本当に恐いのは
択一ではなく選択であると思えてきます。

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 正直な話、択一はやることさえやれば必ず合格点(42~43点)
位の点数は取れるようになります。

 しかし、選択式だけはどれほど勉強しても「落とし穴」があり
ます。

 各科目わずか1問、空欄5つのうち3つを正解しなければ原則と
して不合格確定、というのは非常に厳しいです。

 択一で仮に全然知らない分野の問題が出題されても、最悪その
1問を捨てればよいだけです。

 しかし、選択はそれができません。万一、自分の全然知らない
分野から出題されれば、それだけで0点とか1点で不合格確定です。

  かといって、これさえやっておけばОKというものもないのが
選択です。

 とりあえず、数多くの問題に当たって慣れておく。これくらいは
やっておきましょう。

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 児童手当について、3歳未満の児童については、その子が何番
目の子かに関りなく支給額が1万円となりました

 児童手当の額の計算方法を具体例でみてみましょう。例えば、
以下のように児童がいるとします。

1人目-14歳、2人目-10歳、3人目-6歳、4人目-2歳

 この場合、3歳未満である4人目の子はとにかく1万円です。

 次に、1人目に5千円、2人目に5千円、3人目以下に1万円
を割り当てます。

 14歳の児童は12歳の年度末を越えてますので児童手当の
対象外です。

 残った2人目-5千円・3人目-1万円・4人目-1万円の
合計2万5千円が児童手当の月額になります。

妊娠等による不利益取扱禁止

労一

 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者
に対してなされた解雇は、原則無効とされるようになりました。

■■解説■■

 今年は男女雇用機会均等法の大改正がありました。

 この改正部分からは、間違いなく出題があるでしょう。

 統計ばかり出題されるヘンテコな問題は、おそらく昨年だけ
だと思われます。

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 均等法はまさに大改正なので、改正部分の中からどこが出題
されるかというのは不透明です。

 その中でも、ここはそのままストレートに出そうかなと思うの
がこの条文です。

法9条4項
 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に
対してなされた解雇は、無効とする。
 ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする
解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

 参考までに、この条文の中で「前項」と言われている法9条
3項の条文は以下のとおりです。

法9条3項
 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産した
こと、労働基準法第65条の規定による産前休業を請求し、又は
産前産後休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であ
って厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に
対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

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 つまり、妊産婦を解雇した場合、その解雇は原則無効。もし、
解雇が有効であると言いたいなら、事業主の側で、その解雇が
妊娠・出産等を理由とした解雇ではないことを証明しなさい。
証明できない限り、解雇は無効。

 というのが法9条4項の意味です。

 この条文は択一でそのまま出される可能性があると思います。

遺族厚生年金

厚年

 65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自分の老齢厚生年金
の受給権を有する場合は、老齢厚生年金を全額支給して、遺族厚
生年金についてはその差額を実際に支給することになった。

■■解説■■

 改正前は、遺族厚生年金を受給するか、老齢厚生年金を受給す
るかは受給権者の選択でした。

 たいていの場合は、額の多い方を選択するという結論になります。

 例えば、老齢厚生年金を受給していた夫が亡くなった妻の場合で、
妻自身の老齢厚生年金が80万円、遺族厚生年金が90万円であれ
ば、選択肢として以下の3つが考えられます。

1、老齢厚生年金を受給 80万円

2、遺族厚生年金を受給 90万円

3、老齢厚生年金の1/2+遺族厚生年金の2/3 100万円

 最も額の多い3を選択することが通常です。

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 改正後は、まずなにを置いても老齢厚生年金が支給されることに
なります。

 つまり、上の例で言えば、80万円が老齢厚生年金として支給さ
れます。

 そして、もらえる最高額(100万円)との差額(20万円)が遺族厚生
年金として実際に支給されます。

 まとめると、こういうことです。

 老齢厚生年金として80万円を支給

 遺族厚生年金100万円のうち、80万円は支給停止、20万円
を実際に支給

 受給権者からしてみたら、今まで通り100万円がもらえる。

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 受験ではおそらく訊かれないでしょうが、実はこの制度にはちょ
っとしたカラクリがあります。

 今まで通り100万円がもらえるなら改正前も後も変わらないじゃ
ないかと思われがちですが、実は以下の点が異なります。

1、まず、遺族厚生年金として受給すれば非課税ですが、老齢厚生
年金として受給すると課税対象になる。

2、老齢厚生年金として受給すると、上の例の妻が仮に働きに出ると
(厚生年金の被保険者になると)在職老齢年金の仕組みによる支給
停止がかかる可能性がある。
  遺族厚生年金として受給していれば、このような制限はない。

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 こういった話を、政府は積極的にしようとはしません。

 「改正しても、もらえる年金額は変わりませんよ」という説明
だけがなされています。

70歳以上の在老

厚年

 70歳以上の使用される者への老齢厚生年金についても、在職老齢
年金の調整がかかるようになりました。

■■解説■■

 そもそも厚生年金は、原則として70歳になるまでの加入です。

 健康保険が在職している(正確に言うと、適用事業所に使用されて
いる)限り何歳になっても加入し続けなければならないのとは、対照
的です。

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 改正前は、在職老齢年金(在老)の調整が係る場合といえば以下の
2つの場合でした。

1、60歳~64歳までのいわゆる60歳台前半の在老

2、65歳~69歳までのいわゆる60歳台後半の在老

 それぞれ調整に使う計算式が違いますが、まあその話は長くなるの
でここでは省略します。

 70歳になると厚生年金の被保険者ではなくなりますから、在老の
調整は一切かからず、いくら給料が高くても年金は丸々もらえる。
これが改正前でした。

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 これが改正により、70歳以上であっても「使用される者」(被保
険者ではなくなりますから、こんな言い方になっています)について
は、60歳台後半の在老と基本的に同じ仕組みで老齢厚生年金に
調整
をかけることとなりました。

 70歳以上であっても給料をたくさんもらっている人には、年金を
支給する必要はありませんね。年金財政も大変ですから我慢してくだ
さいよ、というのが政府の考えです。

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 これに伴い、70歳以上の使用される者については、使用者に各種
届出をする義務も新たに課されています。

 例えば、70歳以上の使用される者の該当の届出や、報酬月額算定
基礎届などです。

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