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申出による支給停止

国年

 受給権者の申出により、その全額が支給停止される制度が創設
されました。

■■解説■■

 改正前は、一度裁定請求をしてしまうと、支給される年金を
任意に止めてもらうことはできませんでした。

 それを可能にしたのが、今回の法改正です。

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 おそらく試験で訊いてくるなら、以下の2点だと思います。

1、「全額の」支給が停止されるという点。「一部の」停止は
  認められていません。

2、申出の撤回もできます。しかし、それは将来にむかってです。
  つまり、撤回しても、支給停止していた間の年金が遡って
  支払われることはないということです。
               ↓
           この間の年金額
   --∥------------∥------
     申 出               撤 回

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 議員や官僚OBのみなさんには、率先してこの制度を利用して
いただきたいものです。

4分の1免除・4分の3免除

国年

 今までの全額免除及び半額免除に加え、4分の1免除・4分の3
免除制度が新たに創設されました。

■■解説■■

 ずっと続いていた健保の改正点にもそろそろ飽きてきましたので、
年金へ移ります。

 もちろん健保にはご紹介した以外にも改正点はたくさんあります
ので、各自「法改正テキスト」でまとめておいてくださいね。 

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 免除制度が、またまた複雑になりました。

 この改正に伴い、国年の死亡一時金や脱退一時金の計算のところも
昨年より複雑な計算になっていますが、この部分の細かい数字はおそ
らく出題されないだろうと思います。

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 老齢基礎年金の額の計算式も、変わっています。

 こちらの数字についても「複雑すぎて出題されない」という噂も聞
きますが、私は個人的に「出題可能性あり」と思っています。

 いわゆる480月を超えた場合の数字までは出題されないと思いま
すが、基本の数字

 4分の1免除期間‥‥8分の7

 半額免除期間‥‥‥‥4分の3

 4分の3免除期間‥‥8分の5

 全額免除期間‥‥‥‥2分の1

は押さえておきましょう。

 もちろん丸暗記でもよいですが、暗記の苦手な方は、よくテキスト
に載っている「8個の箱の絵」が現場で描ければそれでよいです。

 8個の箱のうち半分の4個は国庫負担、残り4個のうちどれだけが
保険料で埋まっているかという、あの絵です。

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* 平成18年合格者の合格体験記は、平成19年1月7日、1月
 14日、1月21日、1月28日、2月4日の記事に掲載されて
  います。

  これから試験日までの勉強法に悩んでいたら、ぜひお読みくだ
 さい。なにかきっかけが掴めるかもしれません。

傷病手当金・出産手当金

健保

  傷病手当金及び出産手当金の支給額が、標準報酬日額の3分の2
相当額に引き上げられた。

■■解説■■

 「減る」とか「なくなる」という改正の多い中、数少ない明るい改正です。

 ただ、社労士試験的には、暗記することが増えただけですね。

 今までは、

 労災の休業(補償)給付‥‥給付基礎日額の100分の60

 健保の傷病手当金・出産手当金‥‥標準報酬日額の100分の60

で暗記する数字が共通でしたが、今年からは健保の方が3分の2
なりました。

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 社労士試験の科目の中では「3分の2」という数字は、あまり登場
しない数字ですよね。

 数字に直すと66.666‥‥%ですから、昨年までの100分の
60よりは増えているということになります。

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 注意点としては、特に再受験の方。

 もう頭と体に「100分の60」という数字が染みこんでいるはず
です。

 ここが問題で出題された時に、ついうっかりと、100分の60で
○って答えてしまうとか。

 「んなことないよ」って今は思われるでしょうが、本試験の極度の
緊張状態では、知らず知らず体に染みこんだ100分の60って答え
てしまうかもしれません。要注意です。

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 この他にも、現金給付では、

 埋葬料・家族埋葬料の額が5万円の定額に

 出産育児一時金・家族出産育児一時金の額が30万円から35万円に

 などの改正があります。

入院時生活療養費

健保

 療養病床に入院する70歳以上の被保険者の生活療養に要した費用
(食費及び光熱水費)について、入院時生活療養費が新設されました。

■■解説■■

 今年の健康保険は、改正ばかりです。

 改正点だけで択一10問を作れそうなくらいですが、当然のことな
がら改正点以外からも出題はあります。

 改正点ばかりに目が行ってしまって、それ以外の基本事項をおろそ
かにすることがないように注意しましょう。

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 まず、基本的なことですが、入院時生活療養費の対象は「特定長期
入院被保険者」
と呼ばれる人だけです。

 つまり、療養病床に入院している70歳以上(正確に言うと、70
歳に達する日の属する月の翌月以後)の人だけが対象です。

 入院している人が、みんな対象になるわけではありません。

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 自分の負担分となる「生活療養標準負担額」については、大きく
2種類に分かれます。

 1つは入院医療の必要性が高い患者、もう1つはそれ以外の患者
です。

 前者の生活療養標準負担額は、入院時食事療養費の食事療養標準
負担額と同じです。原則の金額(1食260円)は必ず、それ以外の
210円、160円も余裕があれば押さえておきましょう。

 後者の生活療養標準負担額は‥‥、この金額は全部暗記しなけれ
ばいけないのでしょうか?。とりあえずは、原則の数字「1日につ
き320円+1食460円」は押さえておいた方が良いでしょう。

標準賞与額の上限

健保

  標準賞与額の上限が、年度の累計額で「540万円」と
 されました。

■■解説■■

 改正前は、1回の賞与ごとに200万円が上限とされていました。

 改正後は、1回ごとの賞与ではなく、1年度(4月から翌3月まで)
の賞与の合計額で上限540万円とされています。

 年度の賞与額をどんどん足していって、540万円を超えたところ
から標準賞与0円(つまり保険料徴収の対象とならない)となります。

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 注意点は、まず540万円という金額。これは大丈夫ですね。

 もう1つは、厚生年金保険では、健康保険と違い、昨年までの上限
額の決め方が変わっていないということです。

 知っている方は「そんなの当たり前だ」と思われるかもしれません
が、自分で勝手に「健保が変わったから、厚年も変わったんだ」と思
い込んでいる方がいらっしゃるかもしれないと思い、あえて指摘しま
した。 

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 これ以外にも、標準報酬関係では、

 ・標準報酬月額の上限と下限が拡大された。
  改正前 1級 98,000円~39級 980,000円
  改正後 1級 58,000円~47級 1,210,000円
 注) これも、厚年では改正されていません。

 ・標準報酬月額等級の上限改定における、最高等級者の割合が
「100分の1.5」に変更された(改正前は「100分の3」)。 

 といった改正があります。

 こちらも出題しやすいところだと思いますので、しっかり押さえて
おきましょう。

健康保険組合

健保

 地域型健保組合の設立が認められ、不均一の保険料率を決定
できるようになりました。

■■解説■■

 今年の法改正事項を引き続きご紹介していきます。

 紙幅の関係で全てをここでご紹介することはできません。
比較的大きな改正・重要な改正を抜粋してご紹介していきます。 

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 小さい健保組合や財政状態の良くない健保組合の再編・統合を
進めるため、同じ都道府県内にある健保組合どうしで地域型健保
組合を設立した場合には、一定期間別々の保険料率を使うことが
できます

 例えば、A健保組合(合併前の保険料率1,000分の85)
     B健保組合(   〃    1,000分の80)

 この2つの健保組合が合併して、あらたに「C健保組合」を
作った場合、本来ならばC健保組合で統一した保険料率を決めな
ければなりません。

 しかし、このような場合でも、一定期間(合併が行われた日の
属する年度及びこれに続く5か年度)に限り、旧来のA健保組合
の被保険者に対してはAの合併前の保険料率を、旧来のB健保組
合の被保険者に対してはBの合併前の保険料率を、適用してよい
ということです。

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 なお、この不均一な保険料率の決定には厚生労働大臣の認可を
受けることが必要になります。

安全管理者

安衛

  安全管理者の資格要件が改正されました。

■■解説■■

 各資格学校で模試が行われます。自分が行っている学校以外の
模試もひとつは受けてみることをおススメします。

 ただ、受けすぎると復習が大変ですので、自分の時間と合わせ
て十分復習ができる範囲で受けるようにしましょう。

[模試日程]
大原     ① 6/30,7/1  ② 7/28,29
LEC     ① 6/1,2,3   ② 6/29,30,7/1  ③ 7/27,28,29
TAC     ① 6/2,3    ② 6/22,23,24   ③ 7/20,21,22
Wセミナー    ① 7/8     ② 8/5
IDE塾   ① 5/26    ② 7/28

 それと独学で勉強されている方も、「法改正」と「白書」対策
だけは、資格学校の単発講座を利用されると良いと思います。

 この2つだけはなかなか自分でうまくまとめることができない割に、
試験にはよく出題されますので。お金を払ってでも、うまくまとまっ
ている情報を買う価値はあると思います。

 それ以外にも、直前になるとやたら単発講座(直前年金対策とか、
直前総まとめとか)を開催する資格学校もありますが、こんなものを
全部受講する必要はありません。

 もちろん自分の苦手分野を集中的に勉強するために1つか2つ受け
るのなら良いのですが、不安に駆られてやたらと受けすぎると、間違
いなく頭の中が混乱するだけで終わります。

 直前年金対策にしろ、直前総まとめにしろ、そこで出てくる話とい
うのは90%以上基本講座の各科目の授業で話をしたものの重複の
はずです(そうでなくて、直前対策でどんどんと新しい話が出てくると
いうことになれば、それは基本講座の授業を手抜きでやっていたとい
うことになってしまいます)。

 わざわざお金を払って同じような話を聴きにいくならば、今まで自
分の使ってきたテキストや問題集を信じて、それを繰り返しやった方
が実力アップにつながると思います。

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 安全管理者の資格要件についての改正です。

 まず大きく変わったのが、実務経験の年数です。

 改正前は、大卒-3年、高卒-5年でしたが、これが大卒-2年、
高卒-4年
に変わりました。

 もう1つは、安全管理者になるために、改正前は必要ではなかった
「安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修で
あって厚生労働大臣が定めるものを修了したもの」という要件が追加
されました。

 つまり、一定の研修の修了が要件になったということです。
 
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 太字のところを押さえておいてください。

女性の坑内労働

労基

 女性の坑内労働が、大きく解禁されました。

■■解説■■

 これからしばらく、今年の法改正事項のうち主なものを順番に
まとめていきます。

 法改正事項は、比較的本試験で出題されやすい傾向にあります。
しっかり押さえていきましょう。

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 [改正前]

 1、妊婦+申出をした産婦は、坑内労働全面禁止

 2、1以外の満18歳以上の女性の坑内労働は原則として禁止

 3、例外として、医師・看護師の業務、取材の業務等は認められる

でしたが、これが以下のように変わりました。

 [改正後]

 1、妊婦+申出をした産婦は、坑内労働全面禁止(改正なし)

 2、1以外の満18歳以上の女性については、坑内で行われる業務
  のうち人力により行われる掘削の業務等だけを禁止

 イメージとしては「女性の坑内労働を解禁。でも、肉体労働だけは
禁止」という感じでしょうか。

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 ポイントは、もちろん上記2の改正点なのですが、意外と盲点になり
そうなのが、1の部分については改正されていないという点。

 あえて、こちらでひっかけ問題を作ってくることもあるかなと、思い
ます。

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