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未支給の保険給付(労災)

労災12-6

 保険給付の受給権者が死亡した場合において、その者に支給す
べき保険給付でまだ支給されていなかったものがあるときは、所
定の遺族は、自己の名において未支給の保険給付の支給を請求す
ることができる。
 

■■解説■■

 本日より、元の過去問解説に戻ります。

 早速、解説です。

 本問のような出題の仕方ですと、答えは○ということで大丈夫だ
と思います。

 しかし、平成15年2番のような「遺族補償年金」と「それ以外」
の場合に分けた出題だと、「この部分は、一体なにが言いたいのか
よくわからない」という声を聞きます。

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 まず「未支給の保険給付」とは、なんなのか。ここから話を始めます。

 例えば、年金をもらっている人がいます。

 年金は、いつ支給されるかというと、2、4、6、8、10、12月
にそれぞれ前2月分が支給されます。

 つまり、2月に受取-12、1月分
     4月に受取-2、3月分
     6月に受取-4、5月分
     8月に受取-6、7月分
    10月に受取-8、9月分
    12月に受取-10、11月分

 ということです。

 とすると、例えば年金をもらっている人が7月に死亡したとすると、
この人は6月に受け取った4、5月分までは年金をもらっていますが、
その後亡くなるまでの6、7月分はもらっていません(生きていれば
8月に受け取れた)。

 この「もらう人がいなくなり、宙に浮いた年金を誰が受け取るのか」。
これが、未支給の保険給付の問題なのです。

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 ここから、本問に戻っていきます。

 労災の場合、この未支給の保険給付について、

 1、遺族補償年金以外の場合 と

 2、遺族補償年金の場合
 
 に場合分けされます(なぜ分けなければならないかは、後で説明します)。

 まず、1、の場合は、

 a)死亡した受給権者の、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹
  (ハイ・シ・フ・ソン・ソケイ) で

 b)死亡当時受給権者と生計を同じくしていたもの

 のうち、最先順位者が未支給の保険給付の請求権者となります。

 こちらは、他の科目で出てくる未支給の保険給付と同じですので「そん
なものなのか・・・」ということであまり疑問に思う方もいないのです。

 多くの方がわからなくなるのは、2、遺族補償年金の場合です。

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 具体例を出して説明します。

 夫、妻40歳、夫の母67歳という3人家族がいたとします。

 まず、夫が労災で死にます。

 すると、遺族補償年金が妻に支給されます。

 その後、今度は遺族補償年金を受給していた妻が死にます。

 ここで、この遺族補償年金から未支給の保険給付が発生しますが、こ
れを誰がもらうのか。

 これが、2、の問題です。

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 仮に、この場合を1、と同じように考えると「死亡した受給権者の・・・
父母」ということになります。

 ここで考えて頂きたいんです。この遺族補償年金の受給権者って、一体
誰ですか?。

 昔に死んだ夫じゃないですよね。今度死んだ「妻」が受給権者です。

 とすると、「死亡した妻の‥‥父母」が未支給給付の請求権者になると
すると、この「父母」は妻の父母ということになります。残された夫の母
じゃないんです。

 これって、なんかおかしいですよね。もともと妻(嫁)がいなければ、
このお母さんは自分の息子が労災で死んだことによる遺族補償年金がもら
えたはずだったんです。

 その嫁が死んだら、嫁の親が遺族補償年金の未支給給付をもらってしま
うって、納得できないですよね。

 そこで、このような結論にならないために、遺族補償年金の場合だけ、
未支給の保険給付の請求権者を別に定めたのです。

 それが、
 2、遺族補償年金を受けることができる他の遺族のうち最先順位者

 です。

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 と、まあこういうことです。こんな背景があるんだなというくらいで、
読んでおいてください。

本問の答え>○

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コメント

山猫先生
返信ありがとうございます。「まず」の部分が解決できただけでも良かったです。
引っ掛け問題ばかりだと気にしなくても良いところまで過剰な反応になってしまい駄目ですね(笑) うーん・・・難しいです!!

チャーシューさん

管理人のやまねこです。

ご質問にお答えします。はじめに、「まず」の部分ですが、これはチャーシューさんが書かれているとおりです。

次に、「また」以下の部分は、ちょっと深読みしすぎかなと思います。未支給給付の受給権者がいない場合を問題として訊いてくるときは、「未支給給付の受給権者がいない場合である」旨の指摘が問題文の中に出てきます。

 ですから、そういった指摘がない本問ではそこまで考えなくてもよいということになるのですが、あんまり答えになってないのかな、これでは。

山猫先生、お世話になります。
この様な問題って本当に迷ってしまい困るのですよね
そこで先生教えて下さい。
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その者に支給す
べき保険給付でまだ支給されていなかったものがあるときは、【所
定の遺族は】、自己の名において未支給の保険給付の支給を請求す
ることができる。
まず、この【所定の遺族】というのは、遺族補償給付以外であれば死亡当時生計を同じにしていたハイ・シ・フ・ソン・ソ・ケイの最先順位者で遺族補償給付者であれば遺族補償年金を受けることができる他の遺族のうち最先順位者を意味していると考えて良いのでしょうか?
また遺族補償給付以外の場合授権者がいない場合、授権者は相続人となるとの事ですがこれも意味に含まれてしまうとなると相続人が遺族でない場合があると考えてしまうと×をうちたくなってしまうのですがどうなのでしょう?

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