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合格体験記-3

 本日は、伊藤正人さん(行政書士、マンション管理士事務所及び不動産業
の経営・48歳・男性・受験回数1回)の合格体験記です。

*学習方法・・・大原 教室通学 初学者対象 入門完全合格10月
        入学コース


*学習時間、勉強方法

 社労士試験対策において、科目ごとの難易度はそれほどでないにして
も、全体としての横断比較が、欠かすことのできない重要課題となり、
他の資格にはない「科目間の知識の混同、混交」に翻弄されやすく、その
対策が合否をわけるキーポイントとなるのではないでしょうか。

 僕がラッキーであったのは、10月からの体系講義を受講したことに
あります。「科目間の知識の混同、混交」の存在を、この時期に体験で
きたことです。

 体系講義終了時のミニテストで受けた衝撃は、はかりしれないモノで
あって、各科目の範囲は基本的なモノに限られているのにもかかわらず、
科目間の知識が足を引っ張りあい、もう頭のなかがグチャグチャになり
パニック状態になってしまったのです。

 この苦い経験から「科目間の知識の混同、混交」を分野別講義の最初
から意識することができ、計画的にいろいろな対策を施すことができま
した。

 対策のなかで、「科目間の知識の混同、混交」に対する比較学習につ
いて、「比較したいそれぞれのアクセス時間」及び「情報の一元化」に
対して特に注意をはらいました。

 比較したい疑問点、事例などを、その場でピックアップしようにも、
その疑問点や事例がどの分野の何だったか記憶が曖昧で、探す作業に
費やす時間だけで、1~2時間なんてことが頻繁に起こるのです。
付箋、ポストイット等も利用価値が高く、時間削減の手助けに大いに役
立ってくれました。

 僕は今回始めての社労士受験でしたが、知識の絶対量では、到底及ば
ない再受験の方が大勢いて、その方々のレベルまで到達するには、学習
時間をより多く投入するよう設定していくしかありませんでした。

 ですから、取り組みの段階から学習時間を最低1,500時間(講義
時間含まず)を確保するためのスケジュール組みをし、アウトプットを
中心に受験体制を敷きました。

【択一式】

 「アウトプットが知識を鍛え直す」という信念のもと、質、量ともに
徹底的にやりました。過去問等の基本的事項を押さえることは、とても
重要なことでしょうが、それだけでは?と思います。

 僕の場合、過去問等の類似問題でも、問い方の角度によっては非常に
難易度が増して、いくら過去問等の基本的事項を押さえていても限界が
ありました。

 本試験においては、そんな取りこぼしも考慮にいれると、難易度が高い
基本テキストの未掲載部分の出題からも、ある程度得点を拾っていかない
と、基準点越えは難しく、合格は厳しい状況ではないかと自分なりに分析
していました。

 特に僕は応用問題に弱く、基本的事項の内容から発展的問題の正解まで
たどりつけないことが多く、市販の問題集等の発展的内容の類似問題から
類推して解くという方法に頼らなくてはいけませんでしたので、市販の問
題集等も精力的に取組みました。

 難易度の高い問題は、基本的事項を押さえた上での論点が多いため、基
本的事項の確認する上にも非常に役立ちましたし、試験に際しては、自分
の実力で解ける問題の範囲が見極められるようになり、自分の知識では到
底歯が立たない難易度の高い問題に無駄な抵抗をしないなど、時間配分が
うまくなったような気がします。

 「最小限度の必要な範囲の過去問、基本問題などで効率的に短期一発合
格する」という常識とは違うかもしれませんが、僕にとってこの方法の方が、
基本的事項を押さえるには近道であったと思います。

 社労士試験の傾向のなかで、個数問題がないというのにも、びっくりです。
試験委員からすれば、いくらでも難易度が高い問題が作れるという裏返しだ
と思いますが、これには、注意が必要なのではないでしょうか。

 曖昧な知識のうえで、苦し紛れの消去法も社労士試験には、通用しません。
基本テキストの範囲内の出題でも、組み合わせ方一つで複雑怪奇な問題とな
り得ます。

 最低限、基本テキストの範囲内の各選択肢は、一つずつ確実につぶさなく
てはと思います。そのために常日頃から、択一式は個数問題と捉え、「確実
な知識」を吸収するように心がけることではないでしょうか。

 僕は平成16年度の行政書士試験のため、受験勉強をしていたのですが、
前年15年の本試験が個数問題の出題が非常に多く、その対策として、16
年から予想問題集、模試等が半分近く個数問題というのも、数多くあり、
曖昧な知識では歯が立たないことを痛感しました。

 その経験から、「確実な知識」のために費やす労力に、何ら抵抗がなかっ
たことが幸いしたのかもしれません。

 また、5月以降の追込み期に8日×10クールを導入して非常に効果を
得ました。本試験に備え、本格的な復習、横断比較となる追込み期に、基本
的事項の確認および応用問題に対するステップとして活用することです。

 5月の時点では各分野の知識が分断されたままであり、横断的に関連づけ
るそれぞれの知識はまだ定着していません。その対処として、それぞれ各分
野の学習時のピッチを狭め、横断間の知識の混同、混交を招く問題点等や反
応力の基礎となる知識が薄れる前に、記憶として反映せることができる有効
な手段としての8日×10クールです。

 自己の忘却曲線の経緯から1クール8日と設定(自分の場合、理解や理由
付けがいまいちでも、うっすら憶えていられる限界が概ね1週間)

    日程

      1日目   健保

      2日目   労災 雇用 徴収

      3日目   労災 雇用 徴収

      4日目   労働一般 社会一般

      5日目  労働基準法、安全衛法

      6日目   国民年金

      7日目   厚生年金

      8日目    予備日

   1クール(8日)×10回転(80日)

【選択式】

 磯井先生が講義中によく「本当にこわいのは選択式ですヨ」とおっしゃ
ってみえましたが、僕も同感です。

 現実的には、択一式の実力がついたと実感できて、初めて選択式の本当
の怖さを知るのではないでしょうか。

 また気が付くのが、本試験間際であっては、限られた時間内に選択式対
策といっても、気があせるばかりで、何から手を付けてよいのかわからな
い、というような状態になってしまうのではないでしょうか。

 手遅れになる前の早い段階から択一式の学習と平行して取組むことを
お勧めします。

 僕は磯井先生のおっしゃることを信じ、早い時期から取組みましたが、
それでも「選択式の怖さ」からは、最後まで逃げ切れませんでした。

 僕は選択式もやはり市販問題を含めて質、量ともに徹底的にやることに
変わりはなかったのですが、とにかく3/5以上の点を取り、足きりを逃
れることがすべてであると考え、その観点から選択式の対策に取組みまし
た。

 「1000のおぼろげな知識より確実な100の知識」は、択一式では
当てはまりますが、選択式では、当てはまらないこともあるように思いま
す。

 通常の選択式試験(80分)は、20分程度でとりあえずの解答を埋め
ることはさほど難しくありません。

 そうすると、難易度の高い問題に再度熟慮できる時間が60分は残るこ
とになります。そのときには、100の確実な知識より、1000のおぼ
ろげながらも広く浅く積み上げた知識の方が役に立つ場合があります。
とっかかりや糸口のようなヒントが見つかれば、1点突破全面展開も有り
得ます。

 試験勉強中から、より多くの問題にあたり、復習においても、満点
(5/5)を狙わず、3/5でよいのではないでしょうか。1点余裕をみ
ても、4/5までとして深追いせず、広く浅く知識を蓄積することです。

 また常日頃から、範囲外や応用力を問われる問題に対して、正解肢だけ
を覚えようとせず、まず正解肢に結びつける糸口を考えながら思考力を養
うことや、芋づる式に正解を導き出せる肢はないかと、取組むことが大事
なのではないでしょうか。

 チンプンカンプンの問題に対しても常に、「何が何でも3/5をとる」
癖を体に染み込ませることは必要だと思います。この癖が今回の本試験で
も威力を発揮してくれ、結果として、すべての科目で3点以上を確保でき、
足切りから逃れることができました。

*使用教材等について

 メインの大原の教材を除いていえば、択一式ならTAC合格のツボ 、
選択式ではLEC選択式マスター、日本ライセンスセンターの選択式完全
対策通信講座テキストが秀逸していたと感じた。

【択一式】

・TAC合格のツボ

 社労士特有の思考力を段階的に形成するには、非常に都合がよい。
 
【選択式】

・LEC選択式マスター

 他の問題集では右ページに模範解答及び発展的内容が定番であるが、
LECは白抜き部分の模範解答だけではなく、解答含め全文を掲載して
いるので、 白抜き部分と隣り合わせた文脈などを合わせた全体的イメージ
がつかみやすい(白抜き以外を抜かれても対処しやすいと思う)。

・ 日本ライセンスセンター 選択式完全対策通信講座テキスト

   他の問題集に比べ圧倒的なボリュ-ムである。平成18年選択式
 本試験にみる社一の歴史・沿革の問題に対しても「社会保険の沿革」と
 して10題ほど出題されていて、 正解の糸口となり得た。

*その他

 大原選択式トレーニング問題集について
     
 (時間的効率を考えると)それぞれのA~Eの問いに対して、あらかじ
め4つの選択肢に絞った選択群から選択するようになっており、時間的効率
を考えた形式として、優れている。

 <僕の場合>僕の場合、本試験のためのトレーニングとして、20の選択
肢の中から選ぶ作業過程も侮れませんでした。
難易度の高い問題に至っては、選択群を選ぶことさえ難しい状況になったり、
すでに頭の中で浮かんでいる正解肢であっても、20の選択肢の中から探す
単純な作業で結構つまずくことがありました。
 そんな場合を想定すると「あらかじめ選択群に絞ったトレーニング問題集」
以前の問題であり、本試験スタイルに合わせたオーソドックスな問題集で
トレーニングを積むしかありませんでした。

 法律系より会計系がより強い学校や、その逆の学校など各校それぞれ特色
がありますが、受講生は何かと、各校の特色に影響を受け、知らず知らずの
うちにその学校の色に染まります。

 本試験後の各資格学校の解答速報で各校の解答が割れたりしますが(試験
センターの問題提示の仕方が原因である場合がほとんど)、その学校で学んだ
影響がその解答にも左右します。

 実際の資格受験の体験でこんなことがありました。16年の行書試験 
解答割れ6問その6問の自分の解答と受講した学校の解答がことごとく同じ
→後日になって、受講した学校が他校と同じ解答に訂正(試験センターの
正答と同じ)

 18年の社労士試験 解答割れ5問その5問の自分の解答と受講した学校
の解答がことごとく同じ→後日になっての受講した学校の訂正なし(試験セン
ターの正答と同じ)

 学んだ学校と自分の解答が同じになるというのは、偶然ではないような気が
します。特に上記の行書のような例で不合格になった場合に怒りのぶつけよ
うがありません。

 受験生の方々は、事前調査を重ね、学校と心中する覚悟ができるぐらいの
信頼ある学校を選んでください。

*これからのこと

 土木、造園、建設業を営んでいた経緯から、関連自営業者や法人との取り引
きや情報交換が現在も続いており、その関係を活用しながら、現状のマンショ
ン管理士、行政書士業務に社労士業務を加えた士業を中心に活動範囲を広めて
いきたいと考えております。

 また自分のスキルアップについては、日々の業務で税務及び簿記の知識不足
を痛感する毎日ですので、来年あたり、また大原さんにお世話になり簿記の3
級から始めたいと思っております。

(参考)今年の本試験の点数

 選択 労基・安衛4、労災3、雇用5、労一5、社一3、健保4、厚年3、
    国年5 合計32点

 択一 労基・安衛4、労災8、雇用9、一般常識6、健保9、厚年5、
    国年8 合計49点

 次の合格体験記は、来週1月29日頃に掲載する予定です。

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