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通勤の定義

労災18-1

 労働者が、就業に関し、厚生労働省令で定める就業の場所へ他の
就業の場所から合理的な経路及び方法により移動すること(業務の
性質を有するものを除く)は、通勤に該当する。

■■解説■■

 早稲田経営出版(いわゆる早稲田セミナー)から出ている「社労士
Get」という月刊の受験情報誌があります。

 その2007年1月号(いま最新号として本屋さんに並んでいます)
の巻頭に「平成18年度本試験詳細解説」という特集が載っています。

 この特集の2頁目(全体の6頁目)に載っている択一式各問の正答率
のデータは、平成18年に本試験を受けて択一の点数が足りずに不合格
だった方にはぜひ見て頂きたいデータです。

 自分が平成18年の本試験で正解できた問題、できなかった問題の
正答率を、これで一問ずつチェックしてみてください。

 全体の正答率が50%以上なのに、自分は間違えてしまった問題。
これは要注意です。

 逆に全体の正答率が低くて、自分も間違えた問題。これはあまり
気にしなくてもよいでしょう。

 自分の得点できた問題と、全体の正答率が高い問題とが比較的一致
している方は、正しい勉強法をしていると推定できます。

 正答率が高い問題をポロポロ落としながら、正答率が低い問題を正解
している方は、「ちょっと向かっている方向が違うのかな」って心配に
なります。

-----------------------------

 その特集に書いてあるのですが、平成18年の本試験で「正答率が
50%以上の問題をすべて正解すると総得点は44点」
になるそう
です。

 どう思いますか、みなさん?。ここから、社労士試験の択一式で
合格点を取るための道が見えてきます。

 ざっくり言うと、半分以上の受験者が解ける問題を自分も解けるよ
うになるだけで、択一式は合格点を取れるっていうことなんです。

 平均的な受験者が知らないような細かい分野・難解な事項は合否に
影響しないわけですから、そんなことを根掘り葉掘りやっている時間
があるならば、「ごく普通の基本的な問題が出題された時に、絶対に
取りこぼしをしない」という方向に力を注ぐべきである、ということ
になります。
  
 と、結局いつもの私の主張に話は収斂していくのですが「合格する
ためには(特に今の時期は)基礎をしっかりと固めましょう。基礎と
は何かといったら、それは択一式の過去問という形でみなさんに示さ
れていますよ」ということになるわけです。

 「なんだ、結局最後はいつものそれかよ!」って言わないでくださ
いね(笑)。

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 ちなみに、このデータと、私が平成18年本試験直後にこのブログに
載せた択一問題の◎、○、△っていう評価とを照らし合わせてみました。

 私が◎(必ず出来て欲しい)をつけた問題でも正答率がすごく低い問
題がある一方、△(できなくても問題ない)をつけた問題でも正答率が
高い問題もあったり。

 この辺りは、私の反省材料ですね。講師の立場に長くいると、どうして
も自分が受験者であった頃の感覚を、年々忘れていってしまいます。

 現役受験者の感覚とのギャップが開きすぎると「昔の成功体験を語る
ひとりよがりの講師」になってしまいますので、そこはそうならないよ
う気をつけていきたいです。

 常に、みなさんの感覚になるべく近いところで、お話できたらいいなと
思っています。

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 さて、本問の解説です。本問はいわゆる昨年の改正事項で、改正直後の
平成18年にすぐ出題されたということになります。

 おそらくみなさんこの部分は改正事項ということもあり、かなり念入り
に押さえていったと思います。その割に「間違えた」という声もよく聞き
ました。

 条文をもう一度確認してみましょう。

労災第7条2項
 通勤とは、労働者が就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び
方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く。

1、住居と就業の場所との間の往復
2、厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
3、第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働
  省令で定める要件に該当するものに限る)

 この2、が問題になっているんですよね。2、の文言と本問を比べて読
んでみてください。

 ここで違いに気づけるか、更に違いには気づいたけど「こんなもん、ち
ょっと違うだけで一緒や一緒や」といった短絡的な思考に陥らなかったか、
これが運命の分かれ道になった問題です。

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 図で書くと分かりやすいです。

 (条文)

   A 社  ---→  B 社
    ↑  
 こっちが厚生労働省令で
 定める就業の場所である必要

 (本問)

   A 社  ---→  B 社
               ↑  
           こっちが厚生労働省令で
           定める就業の場所である必要

 ここをひっかけている問題なのです。「なんだかなあ~」って感じ
ですよね。

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 なお、この通勤の定義のところは本試験問題を作る人が大好きなと
ころで、過去7年間で3回も出題されています。
 平成13年1番、平成14年1番、そしてこの平成18年1番です。
本問以外の問題も、各自過去問題集で必ず目を通しておいてください。

本問の答え>×

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コメント

 
 コメントありがとうございます。

 条文では、「Aが厚生労働省令で定める就業の場所である
必要がある」と言っているだけですから、AB両方がそうで
あってもその要件は充たしますからOKです。

文章だけではよく分からなかったのですが、上の図で理解できました。

もちろん、A、B両方が厚生労働省令で定める就業の場所である場合も通勤の定義に当てはまると考えていいのでしょうか?

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