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特別支給の老齢厚生年金

厚年15-8

 老齢基礎年金の資格期間を満たしている者で、資格期間のう
ち6か月が厚生年金保険の被保険者期間である者が60歳にな
ったときは、報酬比例相当の老齢厚生年金が支給される。

■■解説■■

 まず、前提のお話ですが、特別支給の老齢厚生年金と(65
歳からの)本来の老齢厚生年金は、

         まるっきり別個の年金

だということを頭に入れておいてください。

 テキストの図解などを見ていると、

特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分が、65歳になるとそ
のまま本来の老齢厚生年金にするっと移行し、

特別支給の老齢厚生年金の定額部分が、65歳になるとそのま
まするっと老齢基礎年金に移行する、

というイメージを持ってしまいがちですが、それは誤りです。

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 特別支給の老齢厚生年金と、本来の老齢厚生年金はまるっき
り別個の年金です。

 その証拠に、特別支給の老齢厚生年金の失権事由を見てくだ
さい。「受給権者が死亡したとき」の他に、ちゃんと「受給権
者が65歳に達したとき」
って書いてあります。

 つまり、65歳になると特別支給の老齢厚生年金をそこで失
権し、65歳から新たに本来の老齢厚生年金(+老齢基礎年金)
の受給権が発生するということなのです。

 これは意外とテキスト等で強調されていないところなので、
勉強が進んでくると、いつしかなんとなく「同じ老齢厚生年金
だから」という感じで両者がごちゃごちゃになってしまう方が
多いところですので注意してください。

 別個の年金ということが頭にあれば、要件等を覚えるときも
意識して両者を分けて覚えるようになりますよね。  

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 というわけで、この問題です。答案練習などでもよく出る問
題です。

 本来の老齢厚生年金では、受給資格期間を満たしている限り、
厚生年金の被保険者期間が1か月でもあれば1か月分の老齢厚
生年金が支給されます。

 これに対して、特別支給の老齢厚生年金では、最低1年は厚
生年金の被保険者期間がないと、老齢厚生年金が一切支給され
ません。

本問の答え>×

特定受給資格者

雇用14-3

 事業所が遠隔地に移転し、自宅から往復5時間もかかること
になったため、通勤は困難であるとして退職届を提出して離職
した者は、特定受給資格者となる。

■■解説■■

 木曜日の続きですが、最近、本問のような特定受給資格者の
範囲について細かい内容を聞く問題が頻繁に出題されています。

 択一ですと、平成13年、14年、17年に、選択でも平成
15年に出題されています。

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 皆さんのお持ちのテキストにも、この部分に具体例として
ずらずらと列挙されていると思いますが、面倒くさくても必ず
一度は全部読んでおいてください。

 本当はこの部分だけは、省略された形のテキストだけではな
く、条文を読んでおいて頂きたいくらいです。

 もし機会があれば、社労士受験六法などで、雇用保険法施行
規則34条、35条に載ってますので見てみてください。

本問の答え>○

所定給付日数

雇用15-4

 特定受給資格者に対する所定給付日数は、その者が基準日に
おいて60歳以上65歳未満であり、かつ被保険者であった期
間が10年以上20年未満の場合、210日である。
 なお、本問でいう受給資格者には、雇用保険法第22条第2
項に規定する厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者
は含めないものとする。
 

■■解説■■

 過去7年を振り返ってみると、平成13年、14年、15年
と所定給付日数を具体的に聞く問題が出題されています。

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 原則の表(90日、120日、150日)

 特定受給資格者の表

 就職困難者の表

と、3種類の表がここでは登場します。

 このうち、原則の表就職困難者の表は暗記してしまいましょ
う。これらはいずれも単純な表なので、それほど暗記も難しくな
いと思います。

 問題なのは、特定受給資格者の表です。

 これ、なんかうまいゴロ合わせで覚える方法はないんでしょう
かねえ?。市販のゴロ合わせ本を見ると、一応ゴロ合わせが載っ
ているのですが、あまりピンとこないんですよね。

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 私は、自分の受験時代は、ここは捨てました(笑)。私が、受
験の時に完全に捨てたのは、ここと、国民年金の合算対象期間で
す。

 いずれもちょくちょく過去問には顔を出しますが、「こんなも
のいちいち覚えてられっかあ」って思って潔く捨てました。選択
式に出題されないことを、天に祈りながら。

 立場上、この方法を積極的におススメはしませんが、この手の
話(どうしても頭に入らない分野は捨てる)は合格体験記を読む
とよく顔を出します。

 みなさんのお好みで‥‥ということですね。

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 所定給付日数から話が発展していくのですが、最近特に要注意
なのは、特定受給資格者の範囲です。

 これについては、また次回に詳しく。

本問の答え>○

遺族基礎年金の遺族の範囲

国年14-3

 遺族基礎年金は、死亡した被保険者の配偶者で一定の子を有す
る者に支給される。

■■解説■■

 出題者がひっかけようとしているポイントがわかりますか?。

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 そうです。「配偶者」という言葉です。

 「配偶者」といった場合、そこには「夫」と「妻」が含まれます。

 遺族基礎年金は、死亡した被保険者の「妻」で一定の子を有す
る者には支給されますが、「夫」には支給されません。

 従って、本問は×となります。

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 落ち着いて考えるとなんてことないところなのですが、本試験
会場の緊張した状態ですと、意外とこんなところにコロッとひっ
かかってしまうことがあります。注意してください。

 科目は違いますが、労災の遺族補償年金の受給資格者のところ
も、配偶者のうち、

 「妻」については、年齢要件や障害要件が不要

 「夫」については、年齢要件か障害要件が必要

とされていますので、例えば

 「配偶者については、年齢要件が不要とされている」

と言うと×となります。

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 まだ勉強が進んでいない方は、どんどん過去問を解いて、ひっ
かけ問題にどんどんひっかかって悔しい思いをしてください。

 そうやって、何回も転びながら体で覚えた知識は忘れませんから。

本問の答え>×

一部負担金(労災)

労災17-4

 療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く)は、
その費用の一部として200円(健康保険の日雇特例被保険者に
あっては100円)を負担する。
 ただし、療養給付を受ける労働者に支給する休業給付であって
最初に支給すべき事由の生じた日に係るものについて厚生労働省
令で定める額を減額した休業給付の支給を受けた労働者について
は、この限りでない。

■■解説■■

 そのとおりです。昨年の問題ですが、この部分はちょくちょく
出題されています。
 
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 たいていは単純な問題です。例えば、

14-7
 通勤災害により療養給付を受ける労働者は、500円を超えな
い範囲内で厚生労働省令で定める額の一部負担金を徴収される。

>×(500円ではなく、200円)

12-3
 通勤災害による各種保険給付については、給付の種類ごとに受
給開始時に一部負担金を支払わなければならない。

>×(療養給付を受ける人が休業給付を受ける場合だけ)

などです。

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 今後出題が予想されるとすれば、以下の点でしょうか。

・ この一部負担金の徴収が、休業給付から一部負担金相当額を
  控除(天引き)する方法で徴収されるということ。

・ 一部負担金の納付が求められない者として、

  1、休業給付を受けない者

  2、同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金
    を納付した者

  3、第三者行為災害を受けた者

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 療養給付を「療養補償給付」に変えて「×」なんて単純な問題
にはひっかからないでくださいね。あまりに古典的な手口で、こ
んな問題は出題されないとは思いますが‥‥。

本問の答え>○

埋葬料

 健保14-3

 埋葬費は、被保険者の標準報酬月額の範囲内でその埋葬に要した
費用に相当する金額であるが、その額が10万円に満たないときは
10万円が支給される。

■■解説■■

 1週間ぶりの復活です。都合により、しばらく週2回(月・木)
更新で進行していきます。
 
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 埋葬料については、そんなに難しい問題は出てきていません。ど
んなテキストにも載っている基本的なところを確実に押さえておい
てください。

 その中でも、ひっかけ問題によく使われるのが金額です。本問が
典型的な例です。

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 まず言葉の問題として、「埋葬料」と「埋葬に要した費用に相当
する金額」とありますが、後者を本問のように「埋葬費」と呼ぶこ
とがありますので、問題で出てきたら分かるようにしておいてくだ
さい。

 埋葬料は、

 原則の額-死んだ被保険者の標準報酬月額に相当する額

 最低保障-10万円

 埋葬に要した費用に相当する金額(埋葬費)は、

 原則の額-埋葬料の支給金額の範囲内で、実際に埋葬に要した費用
      に相当する金額

 最低保障-なし

 これを確実に押さえてください。ぼんやりと「10万円」だけ、
暗記していると本問のような問題に簡単にひっかかってしまいます。

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 埋葬費で出てくる「埋葬料の支給金額の範囲内で、実際に埋葬
に要した費用に相当する金額」というのが日本語としてやや分か
りにくいですが、仕組みはこうです。

 例えば、標準報酬月額20万円の被保険者が死んだとします。
そして埋葬料を受ける者がいない場合で、埋葬費が支給される場
合、まず上限が20万円となります。これが「埋葬料の支給金額
の範囲内で」ということです。

 上限を20万円として「実際に埋葬に要した費用」ですから、
お葬式が仮に5万円で済んだということであれば、5万円が支給
されることになります。お葬式に24万円かかったという場合は、
上限20万円を超えてますから、上限の20万円が支給されると
いうことになります。

 この埋葬費には上で書いたように最低保障はありませんので、
極端な話お葬式が5千円で済んだということであれば、5千円し
かもらえないことになります(泣)。

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 埋葬料・埋葬費の相違を押さえたら、ついでに家族埋葬料
押さえておきましょう。

 こちらは、一律10万円です。

 上限も、最低保障も何もありません。みんな一律10万円です。
間違えないようにしましょう。

 それと更についでですが、被扶養者の給付は全て「被保険者に
対して」支給される
。この点も必ず確認しておいてください。

本問の答え>×

ほぼ元気になりました

来週から、ぼちぼち復活いたします。

お詫び

風邪で寝込んでいます。
元気になり次第更新します。

いま暫くお待ちください。

フレックスタイム制

 労基15-6

 労働基準法施行規則において、使用者は、労働者に、いわゆる1
か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形
労働時間制又は1週間単位の非定型的変形労働時間制により労働さ
せる場合には、育児を行う者その他特別の配慮を要する者について
は、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をし
なければならない旨規定されている。

■■解説■■

 変形労働時間制です。

 労働基準法の中では、なかなか頭の痛いところだと思います。

 私自身も最初に変形労働時間制の話を聞いたときは、「あなたは
何を言っているの(・・?」状態でした。

 しばらくしてやっと何を言っているのかわかっても、暗記するこ
とばかりで、しかも1か月変形・1年変形・フレックスと全部が頭
の中でぐちゃぐちゃになってしまって、ひっかけ問題にもコロコロ
ひっかかりました。

 一つのやり方ですが、ある程度理解が進んだ段階で、それぞれの
制度を横に並べて要件を書き出してみると良いと思います(市販さ
れているいわゆる「横断本」のようなものを参考にしてもよいでし
ょう)。
 そうすると、それぞれの制度の同じところ・違うところが明確に
なり、暗記しても忘れにくくなります。
 
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 この問題は、変形労働時間制の本流からは少し外れた問題です。
「知ってるか、知らないか」という問題と言ってしまえばそれまで
ですが、少し違う視点からこの問題を見てみることにします。こう
いう考え方もあるんだという話として聞いてください。

 突然ですが、1か月変形・1年変形・1週間変形(以下「1か月
変形など」といいます)とフレックスの違いはなんでしょう?。

 様々ありますが、その1つとして「各日に労働者が働く時間を、
誰が決めるか」
があります。

 1か月変形などは、いずれも労使協定等で各日の労働時間が定め
られます。すなわち、労働者自身がそれを決めることはできません。

 これに対して、フレックスは「始業及び終業の時刻を労働者の決
定にゆだねる」とあるとおり、それを決めるのは労働者自身です。

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 とすると、「使用者は‥‥育児を行う者その他特別の配慮を要す
る者について、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるよう
な配慮をしなければならない(義務)」と言われた場合、なんかお
かしいと思いませんか?。

 確かに、1か月変形などは、労働者自身が各日の労働時間を自分
で決めることができないわけですから、使用者がこのような配慮を
する必要があることはわかります。

 しかし、フレックスの場合は、使用者がわざわざ配慮しなくても、
労働者の側でこういう時間の確保をすることは可能なはずなんです。
 なぜなら「始業及び終業の時刻が労働者の決定にゆだね」られて
るんですから。労働者が自分で自分の各日の労働時間を調整して働
くことを認めますよ、という制度がフレックスなのです。

 こう考えると、フレックスにはこの義務はないということに気づ
くこともできるかな?ということになります。

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 「そんなのは後付けの小理屈だ」と思われる方もみえるでしょう。

 もちろん、全ての問題を知識で解くことができるのがベストです。

 しかし、それができない時に、常識というか「どうしてこんな規
定があるのかな?」というところから、自分なりに現場でモコモコ
と考えて正解を導き出せることもありうるという1つの例として、
ちょっと変わった見方からこの問題を見てみました。

 「こんなやり方もあるよ」ということが、どこかでみなさんのお
役に立てば幸いです。

本問の答え>×

加給年金

厚年15-3

 老齢厚生年金の配偶者に係る加給年金額は、昭和9年4月2日以
後に生まれた受給権者の生年月日に応じて特別加算額が加算される
が、この加算額は昭和18年4月2日以後の生年月日の者について
は同額である。

■■解説■■

 介護保険の新しい保険料率が発表されました。

 1,000分の12.5だったのが、1,000分の12.3
変更されます。

 各自のテキストの記載を直しておいてください。

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 年金の難しさの一つに、出てくる年号(日付)の多さがあります。
色々と覚えているうちに、段々と頭の中がくちゃくちゃになってし
まいますよね。

 こういう年号がたくさん出てくるのは、主に老齢の年金です。な
ぜなのでしょうか?。

 障害や遺族の年金では、法律が変わった時に、「今日より後に障
害になった(あるいは死亡した)人には新しい制度が適用されます」
としてもあまり国民から文句はでません。
 いつ自分が障害になるか(あるいは死亡するか)誰もわからない
からです。

 これに対して、老齢の場合は、みんな何年後に何歳になるかわか
っています。
 例えば、今までの法律では60歳から老齢の年金を支給するとし
ていた場合に、59歳の人は「そうか。来年から年金がもらえるの
か」と期待して待っているわけです。

 それがある日「今日から法律が変わりました。老齢の年金は60
歳からではなく65歳から支給することにします。59歳の人は1
年違いで残念でした。もう5年我慢してね。さようなら~」なんて
言われたら、「おい、ちょっと待て」と言いたくなりますよね。

 だから、老齢の年金の制度を改正する時は、様々な「経過措置」
を法律に置くことになります。
 例えば、60歳から65歳に支給開始を変更するけど、いま59
歳の人はかわいそうだから特別に61歳からにしてあげます。いま
55歳の人はもう少し遅くて63歳からにしてあげます、といった
ふうに。

 これが老齢の年金をすごく分かりづらくしている、年号の多さの
一つの原因です。法律が改正されても、常にその後何十年にもわた
って旧制度を引きずっているのです。 

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 この年号で年金が大嫌いになってしまう方も多いと思いますが、
上に書いたように年号が多く出てくるのは老齢の年金です。

 障害や遺族の年金には年号はほとんど登場しませんので、とり
あえず障害や遺族の方から着実に攻めていくという手もあります。

 当たり前のことですが、毎年確実に何問かは障害や遺族から出
題されるわけですから、まずは「取れるところから点を取る」と
いうことです。

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 本問は、そのとおり正解です。

 加給年金は、支給要件、加算対象者(特別加算も含めて)、支
給停止、消滅理由までいずれも本試験ではよく出題されていると
ころですので、要注意です。
 1つずつ過去問を参照しながら、押さえていってください。

 ほとんどの方が、厚生年金より国民年金を先に学習されると思
いますが、国民年金で出てきた振替加算のところがピンとこなか
った方は、この加給年金を勉強してから振替加算に戻って頂くと
また新たな発見があると思います。

本問の答え>○

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